夢売るふたり

評判ほど面白い映画とも思えなかったのだけれど、長くかんじることもなく見た。

いろんな女が面白かった。

松たか子はあいかわらず上手い。

夫を思いやるかわいい妻だったのに。ふたりでやっていたはずの詐欺だったのに、夫の気持ちの底まではコントロールできない。どんどんひどい顔になっていく。

ただねえ、監督には映画の進行上に必要だったのだろうが、子どもが、あんなことをするのがヤだったな。不自然。もっといいアイディアなかったのかな。 

 

騙された女たち。

恋愛の終わりなんて、「いい夢見させてもらったよ、あばよ」って、なんとか無理矢理に自分を納得させるしかないんじゃないのか…なんてことを思う。

たとえそれが嘘ばっかりだったとしても。

まあ、嘘が大部分(たぶん真実もほんの少しはあるはずだけど)と知ったら「せめてお金くらいかえしてほしい」と思うかもなあ。お金でケリはつけられるからね、ほとんどのことは。

デリヘル嬢がいいんだ。わたし、ああいう女のひとに最近ますます憧れる。わかってるんだ、お金が返ってこないことなんて。でも、その、ほんの少しの真実に賭けて、バカみたいにお金を出す。お金なんて、大事じゃないと思いたい。

 

わたしは、もう、ずっと断ってばかりの人生。誰かのために生きたことなんてない。きっと、また誰かに何かを頼まれたらきっと関わらない、シャッターをびしゃーっと降ろすに違いない。

それでもわたしはいつか(いつだよ)誰かのために心身を捧げたいとつくづく思う。

子どももいないんだしさ。